あやね
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公開日:2024年09月24日 更新日:2026年10月07日

検索画面のUIデザインでは、入力する場所だけでなく、「何を探せるのか」「今の結果は何に対するものか」「見つからないときにどこを直せるか」が伝わる構成を考えます。虫眼鏡や検索欄が目立っていても、候補と結果が混ざった画面では、次の操作を決めにくくなります。

ここでは検索欄・アイコン・入力候補という基本要素と、配置のポイント、参考サイトの見方を整理します。検索機能全体でサジェストやフィルターをどう使い分けるかは、検索機能のUIデザインの原則も参考になります。本記事では、家具を探す検索画面を例に、画面上の情報の優先順位を具体化します。

検索欄、入力候補、検索結果と再検索の関係を示した検索画面の構成
検索画面は、入力から結果の確認、条件の見直しまでをつなぐ場所です。

1. 検索の仕組みと重要性

サイト内検索では、利用者は検索の入口を見つけ、語句を入力し、結果を比較して目的のページへ進みます。商品購入や問い合わせはその先にある行動です。検索後にすぐ購入しない場合も、必要な情報を得て比較を続けられれば、その検索には役割があります。

青い背景に置かれた虫眼鏡
検索の入口を見つけやすくし、探したいものを言葉にする操作を支えます。
  1. 検索の入口と、検索できる対象を見つける。
  2. 語句を入力する。必要なら候補から言葉を補う。
  3. 検索を実行し、語句・件数・適用条件を確認する。
  4. 結果の詳細を読み、必要なら一覧へ戻る。
  5. 別の語句や条件で探し直す、または目的の行動へ進む。

この流れを途中で失わせないことが設計の軸です。詳細から戻ったら入力語句が消える、絞り込み後なのに条件が見えない、といった状態では、利用者は同じ作業を繰り返します。検索画面の改善を評価するときも、購入率だけで効果を断定せず、目的の情報にたどり着けるか、検索し直せるかを観察しましょう。

2. 検索画面のUIデザインに必要な3つの要素

スマートフォンで開いたGoogleの検索画面
検索欄や実行操作は身近なサービスでも見られます。サイト内検索では、さらに対象を明確にします。

2.1 虫眼鏡アイコン:開く操作と実行する操作を分ける

虫眼鏡は検索の入口を示す手がかりになります。ただし、アイコンを押すと入力欄が開くのか、入力済みの語句で検索するのかは、置かれた場所によって変わります。ヘッダーの入口には「検索」、入力欄の横には「検索する」など、役割が分かる表現を検討します。

アイコンだけにする場合も、支援技術から操作名が分かるようにします。検索欄にも名前が必要です。W3Cのフォームラベル解説では、操作対象とラベルを対応付ける方法や、検索欄のラベルを視覚的に省く場合の条件が示されています。見た目の省略と、名前そのものの省略を混同しないことが大切です。

2.2 検索フィールド:入力中も対象を伝える

検索欄には「家具を検索」「ヘルプを検索」のように対象を示します。「検索」としか書かれていないと、商品名だけでなく注文番号や店舗名でも探せるのか判断できません。対応していない検索方法を入力例に含めないようにします。

入力例は語句を考える助けになりますが、入力すると消えます。必要な説明は欄の外にも残し、長い語句の途中を編集できる幅を確保します。消去ボタンを置くときは、文字だけを消すのか、結果や絞り込みまで初期化するのかを決めておきます。

2.3 オートサジェスト:候補の種類を見せる

オートサジェストは、入力途中の語句に関連する候補を示す機能です。「収納」の入力に対して「収納 棚」という検索語句を補う候補と、「収納家具」というカテゴリーへ移動する候補では、選択後の行き先が異なります。混在させるなら見出しや補足で種類を分けます。

候補の数を増やすより、選ぶと何が起きるかを明確にします。利用者が候補を選ばず、自分の言葉で検索する道も残しましょう。候補表示が必要かどうかは、名称の難しさや検索対象の数に合わせて判断できます。

3. 検索画面のUIデザインで押さえたい3つのポイント

検索語句と検索結果が表示されたスマートフォン
入力語句と結果の関係を保つことが、検索のやり直しを支えます。

3.1 予測候補を結果一覧に見せない

予測候補はまだ確定していない選択肢です。「入力候補」と「検索結果」の見出しを分け、候補を閉じたあとも入力を続けられるようにします。キーボードの上下キーで候補を移動した状態と、候補を確定した状態も区別します。

W3CのComboboxパターンには、候補を手動で選ぶ方式と、自動選択する方式などが整理されています。どの方式を採用するかを仕様として決め、EnterやEscapeの動作を画面に合わせます。日本語の変換中にEnterを押す場面も確認し、文字の確定と検索実行が意図せず重ならないよう、実装時の確認項目として共有します。

3.2 カテゴリーや目的の分類で、検索語句を補う

「どんな言葉で検索すればよいか」が分からない人には、カテゴリーや用途から選ぶ入口が役立ちます。家具なら「収納」「照明」といった商品分類と、「狭い部屋」「在宅ワーク」といった用途は異なる切り口です。並べるときは見出しを分け、同じ階層の選択肢だと誤解させないようにします。

結果を絞ったあとは、適用中の条件を一覧の近くに表示します。条件の解除で何が広がるかも伝えましょう。語句を消す操作と価格条件を外す操作を分けると、試したいことを一つずつ変えられます。

3.3 配置は検索の重要度と画面幅に合わせる

検索が主な入口なら、ページ上部に十分な幅を持たせる案から検討できます。一方、スマートフォンでヘッダーにロゴ、メニュー、カートまで並べると、入力欄が窮屈になります。その場合は、入口を押して検索専用画面を開き、入力に集中できる面積を確保する方法もあります。

「右上なら最適」と位置だけで決めず、入力欄への到達、キーボード表示中の候補、閉じたときの戻り先をまとめて確認します。上部に置く判断と、固定表示して常に残す判断も別です。小さな画面で固定領域が結果を圧迫していないかを見ます。

4. 家具検索の画面を、一つの操作で比較する

架空の家具店で、利用者が幅60cm程度の収納棚を探す場面を考えます。最初の案は、スマートフォンの細いヘッダーに検索欄を押し込み、その下に人気商品と入力候補を同時表示する構成です。「収納 棚 幅60」と入力すると語句の先頭が見えず、商品画像に埋もれた候補を押したのか、商品詳細へ進んだのかも判別しにくくなります。

改善案では、検索専用画面の上に「家具を検索」と入力欄を置きます。入力中は検索語句の候補だけを出し、商品推薦は結果画面へ移します。候補「収納棚 幅60」を選ぶと欄に語句を補い、検索ボタンで実行する方式にします。候補選択と同時に検索する方式も可能ですが、この例では一度語句を確認してもらう設計です。

結果画面には「『収納棚 幅60』の検索結果」と表示し、検索欄にも確定した語句を残します。利用者が欄を「収納棚 幅80」に書き換えても、再検索するまでは表示中の結果が幅60の検索であることを見出しで示します。編集途中の文字と表示中の結果を同じものに見せないためです。

画面の状態表示と、次にできること
入力中候補を欄の直下に表示。候補を閉じても「収納 棚 幅60」は残す。
検索結果あり確定語句と適用中の価格条件を表示。詳細から戻っても比較を続けられる。
条件に合う商品が0件語句を残し、「価格条件を外す」を提示。条件を勝手に緩めて別の結果を混ぜない。
通信に失敗件数を0にせず「結果を取得できませんでした」と再試行を表示。語句と条件は保持する。

価格条件を「5,000円以下」にすると0件、価格条件だけを外すと「木製収納棚 60」(6,800円)と「スリム収納棚 60」(9,200円)の2件になる例を用意します。商品名・価格・件数は、この架空の店舗で動作を確かめるための設定です。

こうした状態の違いを伝えると、利用者は条件を変えるべきか、再試行すべきかを判断できます。レビューでは、最初から正しい語句を入力する成功例に加えて、検索後の語句修正と、条件を一つ外して探し直す場面を通します。

5. 検索画面のデザイン参考事例を読み解く

タブレットで複数のWebサイトの画面を見比べている様子
完成画面を集めたら、見た目だけでなく、検索前後の操作にも目を向けます。

参考サイトは配色や余白のアイデアを探す出発点です。ただし、一枚のキャプチャから候補選択や失敗時の動作までは分かりません。「検索欄が目立つ」「現在の条件が読み取れる」など、採用する理由を一つ添えて集めると、自分の画面へ応用しやすくなります。

5.1 Web Design Clip

Web Design ClipでWebサイトのサムネイルが並ぶ画面
Web Design Clipの掲載画面例。カテゴリやサイト全体の構成を比較する材料になります。

Web Design Clipでは、Webサイトの画面を業種などの分類とともに探せます。気になるサイトを見つけたら、実際の掲載先で検索入口の位置と、狭い画面での変化を確認しましょう。ギャラリーの静止画は、そのサービスの検索体験が優れていることの証明ではありません。

5.2 AGT

AGTに掲載された縦長のスマートフォンサイトの画面
AGTの掲載画面例。縦方向の情報の並びを見比べられます。

AGTはスマートフォンサイトのデザインを集めたギャラリーです。既存の掲載画面では、縦長のキャプチャを通して、最初に何を見せるか、どこで内容を区切るかを比較できます。検索専用画面を設計するときも、入力欄の直下に必要な情報と、スクロールして見せる情報を分ける参考になります。掲載サイトの現在の画面は個別に確認してください。

5.3 Pinterest

Pinterestは、画像からアイデアを見つけ、Pinとして保存して整理できるサービスです。検索画面の参考を集める際は、出典へのリンクをたどり、実在するサービスの画面なのか、提案段階のコンセプトなのかを区別します。見栄えのよい一枚を、そのまま使いやすさの根拠にしないことが大切です。

6. Pixsoで検索画面の構成とつながりを確認する

Pixsoでは画面をフレームに分け、要素と遷移先をつないでプロトタイプを作れます。家具検索の例なら「入力中」「幅60の結果」「価格条件で0件」「通信失敗」を同じファイルに置きます。検索欄と条件表示を共通部品にすると、語句の見せ方をそろえながら各状態を比較できます。

Pixsoで価格条件による0件と、条件を外した2件の家具検索結果を比較する例
同じ検索語句を使って画面をつなぎ、表示中の結果と編集中の入力を区別できるか確認します。

最初はスマートフォンの幅で配置し、キーボードが開いたときに見える領域も想定します。候補を押して語句が補われる画面と、検索を実行して結果が変わる画面をつなぎ、レビュー担当者に「幅を変更して、もう一度探してください」と依頼します。操作が止まった場所にはコメントを残し、ラベル、余白、候補の種類のどこが判断を妨げたかを話し合います。

Pixsoのプロトタイプ機能は、こうした画面遷移の検討に使えます。検索精度や実際の通信処理は実装側で確認し、デザイン上で再現した状態と区別しておきます。Figmaなどのツールと比較するときも、機能の○×だけで決めず、この一つの検索課題をチームで作成・レビューできるかを試すと判断しやすくなります。

7. 検索後も、探し続けられる画面にする

検索画面の基本要素は、入力を始めるための入口です。その先で、確定した語句と現在の条件が分かり、候補を選ばなくても進め、必要なら一つずつ条件を直せる構成に整えましょう。参考画面から取り入れた配置も、同じ検索課題で使ってみると、残すべき部分と調整する部分が見えてきます。

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