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あやね
あやね

公開日:2024年09月24日 更新日:2026年10月22日

アプリのUI・UXデザインは、画面をきれいにするだけの作業ではありません。利用者が目的を理解し、必要な情報を入力し、操作の結果を確かめられるように、画面と画面のつながりを設計することです。最初に「誰が、どんな状況で、何を終えたいのか」を一つ決めると、必要な画面を絞り込めます。

たとえば店舗予約アプリなら、空き時間を探して予約を確定し、後から予約内容を確認するまでが一つの体験です。PixsoでアプリのUIを設計するときも、完成した画面だけでなく、入力途中や予約できない場合を並べて考えましょう。ここではUIとUXの違い、三つの設計原則、制作から検証までの流れを具体的に説明します。

1. アプリデザインにおけるUI・UXとは

アプリの画面と利用体験を考えるUI・UXデザイン

UIとUXは関係していますが、同じものではありません。画面上の接点と、サービスを利用する体験全体を分けて考えると、どこを改善すべきか判断しやすくなります。

1.1 UIとは

ユーザーとアプリをつなぐUIの考え方

UIはUser Interfaceの略で、ユーザーと製品の接点を意味します。アプリでは、ボタン、入力欄、文字、アイコン、画面の配置や操作への反応などが対象になります。

予約アプリの「日時を選ぶ」ボタンが見つかるか、満席の時間帯を区別できるか、選択中の日付が分かるかは、UIの具体的な設計課題です。見た目だけでなく、押せる状態と押せない状態、入力の仕方も含めて考えます。

1.2 UXとは

サービスの利用を通して得られるUXの考え方

UXはUser Experienceの略で、製品やサービスを利用する前後も含めた体験を指します。画面が整っていても、予約が取れたか分からない、変更方法が見つからない、店舗で予約情報が伝わっていない、といった問題があれば体験は損なわれます。

UIはUXを支える重要な接点ですが、サービスの仕組み、応対、処理速度なども体験に関わります。「画面を変えればすべて解決する」と考えず、利用者が困る原因を切り分けることが大切です。

2. UI・UXが重要である理由

アプリの使いやすさを支えるUI・UX

使いやすさを考える際は、「便利にする」「長く使ってもらう」という目標を、利用者が実行する具体的な作業に置き換えてみましょう。

2.1 必要な作業を進めやすくする

必要な操作へ進みやすいアプリの構成

予約の変更が目的なら、利用中の予約を見つけ、変更可能な日時を選び、差分を確認できる構成が必要です。新規予約の案内ばかりが目立つ画面では、既存利用者の作業を妨げます。

操作回数を減らすだけでなく、判断に必要な情報を適切な順序で見せます。変更手数料があるなら、確定後ではなく、変更を決める前に分かる場所へ置きます。

2.2 迷いややり直しを減らす

操作の迷いを減らす画面設計

ボタンの意味が曖昧だったり、入力エラーの場所が分からなかったりすると、利用者は操作をやり直すことになります。ラベルと結果を一致させ、直すべき箇所を具体的に示すことが重要です。

たとえば電話番号に誤りがある場合は、入力内容を消さずに、該当欄の近くへ修正理由を表示します。処理に時間がかかる場合は、送信中であることを示し、同じ予約を何度も送らせないようにします。

2.3 次回も安心して利用できるようにする

繰り返し利用するアプリでの体験

前回の操作結果や予約内容を確認できれば、次に使うときも状況を把握しやすくなります。慣れた操作の位置や用語をむやみに変えず、変更する場合も新しい使い方が分かるようにします。

継続利用は画面の使いやすさだけで決まるわけではありません。予約を終えることが目的なら、短時間で迷わず完了できることが望ましい場合もあります。滞在時間の長さを、そのまま良い体験の証拠にしないようにしましょう。

3. アプリUI・UXデザインの三つの原則

3.1 次の操作が分かる構成にする

次の操作を見つけやすくする画面構成

画面ごとに主な目的を決め、それに必要な情報と操作を優先します。日時選択画面であれば、店舗、選べる日時、選択内容、次へ進む操作が中心です。関係の薄いキャンペーンや設定項目を同じ強さで並べないようにします。

シンプルにすることは、説明をすべて取り除くことではありません。「予約を確定する」と「予約内容を確認する」では結果が異なります。ボタンの文言から、次に何が起きるか予測できるようにしましょう。

3.2 読みやすさと操作しやすさを両立する

文字と操作要素の読みやすさを考えるアプリ画面

小さすぎる文字、押しにくいボタン、見分けづらい状態表示は、作業の負担になります。文字サイズや余白だけでなく、長い店舗名、入力エラー、文字を拡大した状態でも内容が重ならないか確認します。

空き状況を色で区別する場合も、「空きあり」「満席」などの文字や形を併用します。読み込み中、候補なし、通信失敗は別の状態なので、すべてを空白の画面で表さないことも大切です。

3.3 対象ユーザーと利用環境を具体化する

異なる利用者や端末に対応するアプリデザイン

すべての利用者を同じ条件だと仮定するのではなく、想定する人と利用場面を調べます。移動中に片手で予約する人、文字を大きくして読む人、キーボードを使う人など、必要な操作に影響する違いを整理しましょう。

画面幅、入力方法、通信状態によって何が変わるかを決めます。スマートフォンとタブレットで配置が変わっても、選んだ店舗や日時が失われず、同じ目的を達成できることが重要です。

4. アプリUI・UXデザインのワークフロー

調査から制作と検証につなげるアプリデザインの流れ

4.1 店舗予約を例に制作と検証を進める

UI・UXの制作工程を整理するワークフロー

ワークフローは業務の流れです。順番を一度決めて終わりにするのではなく、試作から得た気づきを設計へ戻します。ここでは、初めて利用する人が店舗の相談予約を取る例で考えます。

① 調査・分析・企画

「来週の平日夕方に、駅の近くの店舗で相談したい」という目的を置きます。利用者が事前に知りたいことを調べ、所要時間、場所、費用、変更条件など、予約の判断に必要な情報を整理します。

調査では、機能の好みだけでなく、実際に予約したときの経緯や困った場面を聞きます。「簡単なアプリがよい」という要望を、そのまま画面要件にせず、どの作業に手間がかかったのかまで具体化します。

② 設計

店舗選択、日時選択、連絡先入力、内容確認、予約完了という流れを作ります。日時が埋まっていた場合は別の日時へ戻れるようにし、入力済みの連絡先を失わない経路も決めます。

確認画面では「店舗・日時・相談内容」を読み直せるようにします。変更リンクから一つの項目を直した後、最初からすべて入力させずに確認画面へ戻れる構成を考えましょう。

③ UIデザイン

日付の選択、入力欄、ボタンなど、繰り返す要素をそろえます。共通部品には通常時だけでなく、選択中、入力エラー、利用できない状態も用意します。色・文字・余白の基準を共有すると、複数人で制作しても意味の違いが見た目に混ざりにくくなります。

④ プロトタイプ作成

主要画面をつなぎ、「日時を選んで予約する」「日時を変更して戻る」の二つの経路を動かせるようにします。完了画面には予約内容と次にできる操作を示し、送信中の画面と混同しないようにします。

プロトタイプで分かるのは、画面の理解や操作経路などです。予約枠の競合、実際の通信処理、通知の送信などは、実装した仕組みで別途確認する必要があります。

⑤ ユーザビリティテスト

「来週の平日、仕事帰りに相談できる予約を取ってください」と目的を伝え、押すボタンの名前は教えずに操作してもらいます。迷った場所、選択を戻した理由、予約が確定したと判断した瞬間を観察します。

「使いやすかったですか」だけで終わらず、「予約した日時はどこで確認できますか」「変更したい場合はどうしますか」と、結果の理解も確かめます。観察した問題を該当画面に結び付けて修正し、同じ目的で再び試します。

⑥ リリース・運用

公開後は、予約完了数だけでなく、入力エラーや問い合わせの内容、変更経路で困る場面などを確認します。数字が動いた理由をデザインだけに決めつけず、予約枠や流入元など他の条件も見て改善につなげます。

4.2 Pixsoで画面と判断を共有する

Pixsoを使った画面制作とチーム共有

Pixsoでは、画面の作成、コンポーネントの再利用、プロトタイプ、共同編集を同じ作業の流れで進められます。予約例なら、店舗・日時・入力・確認・完了を同じファイルに並べ、画面ごとに異なる架空のデータを入れず、一つの予約として追えるようにします。

  • 日時の候補や入力欄をコンポーネントにし、同じ状態には同じ見た目を使う。
  • 通常の予約経路と、日時変更・入力エラーから戻る経路をプロトタイプでつなぐ。
  • 画面上のコメントに、迷った箇所と変更理由を残す。
  • 開発担当者には、画面の外観とともに、入力値を保持する条件や予約確定のタイミングを伝える。

Pixsoのデザイン画面でアプリの構成を検討する

Pixsoで予約画面を作る

目的を達成できる流れから作る

アプリのUI・UXは、利用者の目的、画面上の操作、その結果がつながって初めて機能します。まず一つの作業を選び、通常の経路と困ったときの戻り方を作りましょう。見た目を整えるだけでなく、利用者が何を理解し、どこで迷うかを確かめることで、次に直すべき箇所が具体的になります。

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