プロトタイピングツールは、画面と操作をつなぎ、実装前に使い方を検討するための道具です。単純な画面遷移を確認したいのか、条件分岐の多い業務画面を試したいのかで、選ぶ機能は変わります。
この記事では、画面設計、共同作業、動作の表現という観点から主なツールを比較します。Adobe XDの利用条件と、提供を終了したProttの扱いも分けて説明します。

1.プロトタイピングとは?
プロトタイピングは、アイデアを試作品にして、操作や構成を確認する方法です。紙の画面を順に見せる方法も、デザインツールで画面をつなぐ方法もあります。確認したい疑問に合わせて、必要な画面と動作を用意します。
2.プロトタイピングツールでできること

画面を配置し、クリックやタップに応じた動作を設定して、ユーザーの操作の流れを確認できます。作成したプロトタイプは、チームのレビューやユーザーテストにも使えます。
選定時は、次の三つの作業を実際に試してみましょう。
2.1 対象画面の構造を作る
スマートフォンやパソコンなど、対象の画面サイズでワイヤーフレームを作ります。情報の順序と操作する場所を決め、長い文字列や画面幅の違いにも対応できるか確認します。
2.2 共有と書き出しを試す
レビューする人がリンクから開けるか、開発者が必要な仕様や画像を取得できるかを確認します。書き出す形式と共有権限はツールによって異なるため、実際の納品物で比べると判断しやすくなります。
2.3 動作を修正して検証する
画面遷移、オーバーレイ、入力や状態の変化を設定します。レビュー後に内容を変更しやすいか、同じ部品を再利用できるかも日々の制作に関わります。
3. 用途別に見るプロトタイピングツール

共同編集を重視する場合、複雑な条件を表現したい場合、Webサイトの公開まで進めたい場合に分けて比較しましょう。
3.1 Pixso

Pixsoは、画面のデザインからプロトタイプとチームのレビューまでを同じ作業環境で進めたい場合の候補です。
コンポーネントや自動レイアウトで画面を作り、クリックやタップに応じた遷移を設定できます。リンクを共有して同じ流れを見てもらえば、企画担当者や開発者にも意図を伝えやすくなります。
日本語のインターフェースで基本操作を確認しながら作業できます。代表的な画面を一つ作って、共同編集と共有まで試すとチームでの使い方を具体的に比較できます。
確認したい主な機能
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画面をつないで操作の流れを確認
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画面上のコメントでフィードバックを共有
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クリックやタップなどのトリガーを設定
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テンプレートやコンポーネントを制作に活用
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自動レイアウトで間隔やサイズを管理
共通の部品を再利用すると、複数画面の見た目をそろえながら修正を進めやすくなります。
Pixsoで画面の切り替わり方を調整
トランジションは、画面や状態が切り替わるときの見せ方です。どこが変わったかが分かるように、動きの方向と長さを調整しましょう。
調整できる動作の例
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画面遷移やオーバーレイの動き
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アニメーションの時間と方向
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イージングによる速度変化
プロトタイプを再生し、動きが操作を理解する助けになっているか確認します。GIFなどの素材を使う場合も、画面全体の読みやすさと一緒に調整しましょう。
3.2 Figma

Figmaは、UIとプロトタイプの作成を共同編集の流れで進められるツールです。既存のチームライブラリを使いながら、画面やコンポーネントの状態を組み合わせて検討できます。
Figmaの機能:
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クリックやタップから次の画面へ遷移
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スクロール時の要素の位置を設定
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コンポーネントと状態を再利用
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オーバーレイでメニューやダイアログを表示
3.3 Adobe XD:既存データを扱う場合

Adobe XDはメンテナンスモードです。既存のXDファイルを使う場合は、現在のアカウントで編集や共有を利用できるか確認してから作業を進めます。
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既存の画面とコンポーネントを編集
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画面遷移や状態の変化を確認
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既存の共有方法と移行条件を整理
3.4 Sketch

SketchはMacアプリで画面とプロトタイプを作成できます。Macで編集するメンバーと、ブラウザで確認するメンバーの役割を分けて使うチームに向いています。
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コンポーネントとスタイルを再利用
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画面をつないでインタラクションを確認
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ブラウザで閲覧・コメント・開発者向け確認
3.5 UXPin

UXPinは、状態や条件を含むプロトタイプを検討したい場合の候補です。Mergeを使う環境では、実装に使うコードコンポーネントをデザインでも活用できます。
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共通コンポーネントで画面を構成
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状態と条件を組み合わせて動作を設定
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実装用コンポーネントを活かしたプロトタイプを検討
3.6 Framer

Framerは、Webページをデザインして公開する流れに向いたツールです。アプリの操作検証が目的なのか、公開するWebサイトの制作が目的なのかを分けて選ぶと比較しやすくなります。
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Webページのレイアウトを作成
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動きや画面幅ごとの表示を調整
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サイト公開までの制作工程を検討
3.7 Axure

Axure RPは、変数、条件分岐、動的パネルなどで業務画面の動作を表現できるツールです。編集にはWindowsまたはMacのデスクトップアプリを使い、作成したプロトタイプを共有して確認します。
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入力や条件に応じた画面の変化
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変数や動的パネルで複雑な流れを表現
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Windows・Macアプリで編集
3.8 Prott:提供終了後の資料整理

Prottは2024年8月31日にサービスを終了しました。新規導入の候補ではなく、既存の画面や操作資料を整理して、別の制作環境へ引き継ぐ対象として扱います。
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手元に残る画面と画像を整理
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画面遷移や検討内容を記録
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移行先で必要な流れを再構成
4. 比較するときの要点
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ツール名 |
制作する対象 |
共同作業・動作 |
利用環境・提供状況 |
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1 |
Pixso |
UIとプロトタイプ |
共同編集・コメント |
ブラウザで制作 |
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2 |
Figma |
UIとプロトタイプ |
共同編集・共有ライブラリ |
ブラウザ・アプリ |
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3 |
Adobe XD |
既存のUIとプロトタイプ |
既存の共有機能を確認 |
メンテナンスモード |
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4 |
Sketch |
UIとコンポーネント |
プロトタイプ・共同編集 |
Macで編集/ブラウザでレビュー |
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5 |
UXPin |
状態を持つプロトタイプ |
条件・コンポーネントの活用 |
Mergeの利用範囲を確認 |
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6 |
Framer |
Webページ |
動き・レスポンシブ表示 |
サイト公開を含む制作 |
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7 |
Axure |
条件分岐のあるプロトタイプ |
変数・動的パネル |
Windows・Macアプリ |
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8 |
Prott |
旧データの整理 |
画面と操作の記録 |
2024年8月31日サービス終了 |
検証したい作業で選ぶ
まず一つのユーザーフローを作り、修正と共有まで試してみましょう。必要な動作を表現できることに加え、チームが同じ資料を見て判断できることが大切です。Pixsoなら、画面の作成からプロトタイプのレビューまでを同じファイルで進められます。
用途を一つ決めてからプロトタイピングツールを比較する
機能の数だけで比較すると、実際に必要な操作やレビューの深さが見えなくなります。代表的な画面と利用者のタスクを一つ選び、同じ条件で各ツールを試してください。
- 再現する操作を決める:入力、分岐、エラー、完了までの最小フローを記録します。
- 共有とレビューを試す:コメント、権限、リンク共有、変更の確認がチームの手順に合うか見ます。
- 実装へ渡す:寸法、状態、アセット、未決定事項を開発者が読める形で残します。
- モバイルでも確認する:画面幅、タップ領域、長いラベル、戻る操作を同じシナリオで検証します。
| 確認する仕事 | 試すこと | 判断の根拠 |
|---|---|---|
| 操作の検証 | 分岐、エラー、完了を再現 | 利用者の意図を検証できるか |
| レビュー | コメント、権限、履歴を確認 | 決定と未決定を分けられるか |
| 引き継ぎ | 仕様、アセット、状態を共有 | 不足情報を実装前に見つけられるか |
Pixsoで同じ代表ファイルを作ると、画面、プロトタイプ、レビュー、引き継ぎを一つの流れで比較できます。契約や提供範囲は導入前に現在の公式情報で確認してください。