WebサイトのUIデザインでは、訪問者が情報を見つけ、内容を理解し、目的の操作を終えられるように画面を組み立てます。配色や装飾の前に、各ページの役割、情報の優先順位、操作後の状態を決めることが出発点です。
PixsoでWebサイトの画面を設計する場合も、まず実際に載せる文字や画像を使って構成を考えます。ここではUIとUXの違い、画面づくりの要点、コーヒー豆の商品ページを使った設計例と、制作に使える五つのツールを紹介します。
1. WebサイトにおけるUIデザインの役割

1.1 UIとは?UXとの違い
UIはUser Interfaceの略で、ユーザーとサービスの接点を指します。Webサイトでは、メニュー、リンク、ボタン、入力欄、文字や画像の配置などがUIの具体的な要素です。
UXはUser Experienceの略で、サービスを利用する際の体験全体を意味します。商品の説明が読みやすくても、希望する種類を選べない、送料が最後まで分からない、購入後の案内が届かないといった問題があれば、体験は良くなりません。
UIデザインはUXを支える一部です。画面の工夫で解決できる問題と、商品情報や配送の仕組みを変える必要がある問題を区別すると、改善の対象が明確になります。
1.2 滞在時間ではなく、目的の達成を考える
サイトに長く滞在することが、常に良い体験とは限りません。営業時間を知りたい人なら、すぐに見つけてページを閉じられるほうが便利です。商品を比較する人には、十分な情報を読んで判断できる構成が必要になります。
「どの情報を探しているか」「何を判断するか」「次に何をするか」をページごとに決めます。見た目の好みだけでなく、利用者がその目的を達成できるかでデザインを評価しましょう。
2. WebサイトのUIデザインで押さえるポイント

2.1 画面幅と入力方法の変化に対応する
Webサイトは、パソコン、スマートフォン、タブレットなどで閲覧されます。対象ブラウザや端末を定めたうえで、画面幅の変化、タッチ操作、キーボード操作、文字の拡大を考えます。
横幅に合わせて全体を縮めるだけでは、文字やボタンが小さくなってしまいます。列を減らす、画像と説明を縦に並べる、補助情報を別の位置へ移すなど、内容に合う変化を決めましょう。固定した端末サイズだけでなく、その中間の幅でも確認します。
2.2 名前と移動先を一致させる
リンクやボタンの文言は、選んだ後に起こることを伝えます。「詳しく見る」だけを並べるより、「豆の挽き方を選ぶ」「配送方法を確認する」のように内容が分かる表現のほうが、次の行動を判断しやすくなります。
メニューの名称、移動先の見出し、ページ内の主要な操作をそろえます。現在の位置や戻る方法も示し、初めて訪れた人がサイト構造を暗記しなくても進めるようにします。
2.3 情報のまとまりと優先順位を作る
シンプルなUIは、必要な情報まで省いたUIではありません。商品名と価格、選択肢と説明、入力欄とエラーなど、関係する要素を近づけ、異なる内容は見出しや余白で区切ります。
主要な操作は見つけやすくしながら、比較や確認に必要な情報も読めるようにします。すべてを大きく、濃く、動かして強調すると、かえって重要な箇所を区別できなくなります。
2.4 実践例:コーヒー豆の商品ページを設計する
例として、訪問者がコーヒー豆200gを選び、「豆のまま」か「粉」かを指定してカートへ入れるページを考えます。ページの役割はブランドの雰囲気を伝えることだけではなく、購入する商品の内容を間違えずに選べるようにすることです。
- 判断に必要な情報を先に並べる。 商品名、焙煎度、内容量、価格、在庫を整理します。味の説明は、長い紹介文だけに埋め込まず、比較するときに見つけやすい位置へ置きます。
- 選択肢の意味を説明する。 「豆のまま」と「粉」を同じ形式で示します。「粉」を選ぶと挽き目が必要になるなら、その項目が現れる条件と未選択時の扱いを決めます。
- カートへ入れる内容を確認できるようにする。 操作の近くで、200g、選んだ形状、数量が一致しているか見直せるようにします。商品画像だけが変わり、選択名が残らない構成は避けます。
- 狭い画面で順序を保つ。 横並びの写真と購入欄を縦にしても、選択肢を飛び越えて購入操作だけが先に現れないようにします。固定ボタンを使うなら、選択内容や入力エラーを隠さない位置にします。
- 操作結果を見せる。 追加できたときは商品と数量を示し、買い物を続けるかカートへ進むかを選べるようにします。在庫不足の場合は、入ったように見せず、選んだ内容を残して修正できるようにします。
Pixsoでは、未選択、粉を選択した状態、入力不足、カート追加後を同じファイルに並べます。商品名と数量を統一し、違いが操作の結果として追えるようにしてから画面をつなぎます。「豆ではなく粉を200g買いたい」という目的で試してもらうと、選択肢の意味や次の操作が伝わるかを確かめられます。
固定表示を使う場合は、キーボードで移動した項目がヘッダーや購入バーに隠れないかも確認します。W3Cのフォーカスを隠さないための解説(英語)は、その判断に役立ちます。
3. WebサイトのUI制作に使うツール5選

画面を設計・レビューする作業と、動作するWebサイトを公開する作業は分けて考えます。同じ「Webデザインツール」でも、主に担当する工程は異なります。
3.1 Pixso

Pixsoは、WebサイトやアプリのUIをブラウザで設計し、チームで共有できるツールです。コンポーネント、プロトタイプ、共同編集を使って画面の作成とレビューを進められます。
画面の比較と共同レビューに使う
商品ページの例なら、広い画面と狭い画面で共通のボタンや選択欄を使い、内容が長くなった状態も比較できます。コメントを該当箇所に残すことで、どの選択肢や文言について話しているかを共有しやすくなります。
導入時に確認すること
既存ファイルを移す場合は、代表的な画面のフォントやコンポーネントを確認します。プロトタイプを作ることと、決済や在庫を扱うサイトを実装することは別なので、開発への引き継ぎ範囲も決めておきましょう。
3.2 Figma

Figma Designは、UIの制作、コンポーネント管理、プロトタイプと共同レビューに使えるツールです。既存のライブラリやチームの制作手順がある場合は、その運用を続けられるかを含めて判断します。
同じFigmaの製品群でも、画面設計を行うFigma Designと、Web公開を扱うFigma Sitesなどは区別が必要です。製品名だけで、必要な公開機能がすべて含まれると考えないようにしましょう。
3.3 Adobe XD

Adobe XDは、画面の制作、プロトタイプ、共有に使われてきたツールです。PhotoshopやIllustratorの素材を組み合わせた既存制作物を扱う場面があります。
Adobeの公式案内(英語)では、XDはメンテナンスモードとされています。新規導入の中心に据える場合と、既存ファイルを編集・移行する場合を分けて検討し、アカウントの利用権限と共有方法を確認します。
3.4 Sketch

Sketchは、MacでのUIデザイン制作を中心とするツールです。シンボルやライブラリを使った部品管理と、プロトタイプや共有の工程を組み合わせて利用できます。
編集担当者が使うMacアプリと、ブラウザを使う閲覧・レビューの環境を分けて考えます。チーム全員が同じ端末で編集するとは限らないため、実際の役割ごとに必要な作業を試すと選びやすくなります。
3.5 STUDIO

STUDIOは、ブラウザでWebサイトを制作して公開できるプラットフォームです。画面の見た目を検討するだけでなく、ページの公開やCMSによるコンテンツ運用まで進めたい場合に候補になります。
導入前には、必要なページ構成、フォーム、CMS、外部サービスとの接続を整理します。商品ページを作れることと、必要な決済・在庫管理の仕組みを備えていることは同じではありません。
3.6 制作工程を基準に比較する
| ツール | 主に検討する用途 | チームで確認する点 |
|---|---|---|
| Pixso | UI制作、コンポーネント、プロトタイプ、共同レビュー | 既存データの扱い、共有権限、開発へ渡す情報 |
| Figma Design | UI制作、ライブラリ運用、プロトタイプ | 既存のチーム運用、必要な製品・シートの範囲 |
| Adobe XD | 既存のXDデータの編集、共有、移行準備 | メンテナンスモード、利用権限、今後の保守 |
| Sketch | MacでのUI制作と共有 | 編集端末と、レビュー担当者が使う環境 |
| STUDIO | Webサイト制作、公開、CMS運用 | 必要な公開機能と外部サービスとの役割分担 |
比較する際は、同じ短い課題を一つ作ると違いが見えます。商品ページの選択肢を追加し、狭い画面を作り、チームに共有するまでを試すことで、機能名の一覧だけでは分からない作業の相性を確かめられます。
4. 必要な情報と操作をつなげる

WebサイトのUIは、ページの目的、判断に必要な情報、次の操作がつながっていることが重要です。まず実際の文章と選択肢で一つの画面を作り、長い内容や狭い幅、操作後の状態を加えてみましょう。Pixsoで案を並べてチームと確認すれば、見た目の好みだけでなく、どこで迷いが生じるかを具体的に話し合えます。