あやね
とあるビジネスが成功する時には、大抵の場合、優れた製品が存在しています。マーケティングやカスタマーサービスの質に関わらず、製品が快適なユーザー体験を提供できていれば、顧客は戻ってきてくれます。
では、最も成功している企業は、どのようにしてそういった素晴らしいユーザー体験を提供し続けているのでしょうか。その答えは、プロダクトチームにあります。
UXデザイナーの役割は多様化しています。その役割は今後も進化を続けるでしょう。素晴らしい製品を作り、最高の満足を顧客に提供するには、UXデザイン戦略が欠かせません。
このブログでは、UXデザイン戦略について解説します。また、市場で目立つために、どうしてUXデザイン戦略の考え方を導入するべきかについても説明いたします。
1. UX戦略とは？
簡単に言えば、UX戦略とは、「ユーザーエクスペリエンスを向上させ、組織の目標を達成するためのプラン」の事です。UX戦略を持たないということは、企業がビジネス戦略を持たないこととほぼ同じです。UX戦略を持つ企業は、多くの技術競争を勝ち抜き、最終的に自社製品が優れていることを示す事ができます。
Nielsen Norman Groupによると、典型的なUX戦略は3つの構成要素に分類されます。
・ビジョン
UXアクションプランを成功させるためには、あなたの戦略がどこに向かっているのかを知らなければなりません。したがって、組織のビジョンとUX戦略を一致させることが重要です。
・目標
ビジョンを設定したら、その進捗をどう測定するかを明確にします。KPI（重要業績評価指標）などの指標は、UXデザイナーがUX戦略をビジネスゴールと一致させるために役立ちます。
・計画
最後に、目標達成のためのプランが必要です。ここでは、各目標を達成するためのアクションプランと、必要なステップを図解します。
2. なぜUX戦略が重要なのか？
UX戦略とその主要な構成要素が分かったところで、なぜこの時代にUX戦略が重要なのかを十分に理解しましょう。
2.1 透明性を高める
戦略があれば、すべてのステークホルダーに対して透明性を高く保つ事ができます。UXデザインは、ユーザー体験の向上と、顧客維持のために非常に重要です。そしてUX戦略にUXデザインチームが上手く貢献している場合は、製品のROIが向上します。
UX戦略によって、クライアントやステークホルダーは、UXチームの全体像を理解する事ができ、彼らのアクションプランもたらすユーザー体験の変化を確認できるのです。
2.2 明確な進捗と成功を提供する
UXチームがユーザーエクスペリエンスと顧客満足度の向上を実現するための方法は、確かにたくさんあります。しかし、UX戦略によって、チームは明確に定義された道筋をたどり、その進捗を測定することができます。
UX戦略は、明確なアイデアを提供し、企業が余分なコストや貴重なリソースを浪費するのを防ぐのに役立ちます。
2.3 チームが一丸となれる
デザイナーには、それぞれ異なるアイデアやアプローチの方法があります。しかし、UX戦略を持つことで、個々のメンバーの目標を会社の目標に合わせつつ、会社は独自の方向性を歩むことができます。
UX戦略は、デザイナー、開発者、クライアント、取締役会などのステークホルダーを団結させ、同じ方向を向かせることができるのです。
2.4 ブランドコンセプトを維持することができる
ブランドのコンセプトがあるにも関わらず、ユーザーへ異なる体験を提供してしまうと、問題が生じます。しかし、UX戦略を導入すれば、ブランドコンセプトとユーザー体験のギャップを埋めることができます。UXチームが行動計画に沿い、ブランドの価値を高める事ができるように支援してくれるのです。
3. UX戦略を立てるヒント
UX戦略の意義はご理解いただけたでしょうか。では実際に成功するUX戦略を作るにはどうすればいいのでしょう。起案するUX戦略は人によって異なります。しかし、UX戦略立案の際に、押さえておくべきポイントがありますので、それをお伝えします。
3.1 ユーザー中心に設計する
UX戦略の立案において最も重要なことは、ユーザーこそが不可欠な要素であるということです。ユーザーこそが焦点の中心です。ビジネスの収益は、ユーザー体験の満足度にすべてかかっています。
したがって、UX戦略の立案では、ユーザーのペルソナを正しく理解する必要があります。彼らのニーズ、期待、認識などを把握しましょう。
3.2 ビジネスゴールとの整合性
ユーザーペルソナについて詳しく学んだら、ビジネス戦略や目標をUX戦略に合わせます。UX戦略が組織の全体的なビジネス目標に合致しているかどうかを学びます。組織が財務的に達成したい特定の数字があるかどうかを確認します。組織の構造、文化、作業工程を理解する。ビジネスゴールと戦略についてより深く学び、理解すれば、効果的なUX戦略を作ることが容易になる。
3.3 ユーザー体験のあらゆる側面を理解する
ここでもまた、ユーザーにフォーカスすることが大切です。より良いユーザー体験を実現するには、ユーザーがブランドと接するすべてのタッチポイントを考慮しましょう。そうすることで、各ステージと、ユーザーが抱く感情について詳しく知ることができます。
その結果、各ステージで実施すべき戦略を理解できますし、ユーザーがネガティブな経験をしないよう予防することができます。
3.4 目標を具体的にする
目標はできるだけ具体的に設定することが重要です。「ユーザー体験を向上させる」といった漠然とした目標では、思うようには進みません。
そこで、「このランディングページのコンバージョン率を30％向上させる」など、具体的な目標にすることで、目指すべき目標が明確になります。さらにUXチームが同じ目標を持つことで、明確な目標へメンバーが集中できるようになります。
3.5 最適化を続ける
近年のダイナミックに変化する市場に合わせて、UX戦略も進化し続けなければなりません。つまり、市場トレンドにデザインを適応させ続けなければならないのです。ユーザーの満足度を向上させるのに、最初のプロトタイプは使いやすさを追求し、世界中の潜在ユーザーがアプリやサイトを利用できるようにしましょう。さらに、UXの法則の1つである「ドハティ閾値」に従って、UXデザインがスピーディに改善するようにしましょう。
4. PixsoでUX戦略を整えよう
UX戦略の実行支援ツールをご存知ですか？Pixsoをコラボレーションデザインツールとして使用することで、チームが同じファイル上でうまくコラボレーションを行い、ビジネスゴールとUX戦略を一致させることができるようになります。Pixsoは、FigmaからSketchまで様々なデザインファイルをインポートすることができます。
さらに、Pixsoは、チームが一緒にデザインプロジェクトに取り組めるように、ファイルやテンプレートを無制限に無料で提供しています。Pixsoのコラボレーションデザインツールを使って、時間を節約し、チームメンバー全員が効率的に共同作業を行えるようにしましょう。
結論
UX戦略は、あなたを驚かせることができます。
明確で詳細なUX戦略をもち、長期的にプロジェクトに取り組めば、その明らかな違いを実感することができます。UX戦略を持つビジネスは、ユーザーを引き留め、満足のいくユーザー体験を提供し続けます。
まだUX戦略の策定に着手していなければ、ビジネス目標を明確にし、ユーザーニーズを満たす明確な方向性を持つようにしましょう。
