「LPを作りたいけれど、エンジニアもデザイナーもいない」という悩みを抱えている方は、実は少なくありません。数年前までは、ランディングページ(LP)を一つ作るだけでも、コーディングができる担当者を探したり、外部の制作会社に依頼したりする必要がありました。しかし今では状況が大きく変わり、専門知識がなくても、テンプレートを選んでドラッグ&ドロップで文章や画像を差し替えるだけで、そこそこ見栄えの良いLPが作れる時代になっています。
とはいえ、便利なLP作成ツールが増えたぶん、「結局どれを選べばいいのか分からない」という声もよく聞きます。無料プランがあると思って登録してみたら、実はほとんどの機能が有料だった、というケースも珍しくありません。そこで今回は、実際によく使われているLP作成・テンプレートサイトを10個取り上げ、それぞれの特徴やメリット・デメリットを、できるだけ客観的な視点で整理してみました。これからLPを作ろうと考えている方の、ツール選びの参考になれば幸いです。

1. Pixso
Pixso は、もともとUI/UXデザインやプロトタイピング向けのデザインコラボレーションツールとして知られていますが、コミュニティ機能の中に、LP用のテンプレートやUIパーツが数多く公開されているのが特徴です。デザイナーやマーケターが実際に作成したテンプレートをそのまま流用できるため、ゼロから配置を考える手間を省けます。
メリットとして挙げられるのは、ブラウザ上で完結するため、アプリのインストールが不要な点や、コミュニティが公開しているテンプレート・UIコンポーネントを無料で自由に使える点です。また、リアルタイムでの共同編集やコメント機能も備わっており、チームで同時に作業を進めやすい設計になっています。他社のツールでは、無料期間が2週間程度に限られていることが多いのに対し、Pixsoは基本的なデザイン機能を無料で継続的に使える点で、コストを抑えたい個人事業主や小規模チームにも扱いやすいサービスといえるでしょう。
一方で、Pixsoはあくまでデザインツールという性質が強いため、作成したLPをそのまま公開・運用するには、別途コーディングや他サービスとの連携が必要になる場合があります。「デザインまでは自分たちで作り込みたい」というチームには向いていますが、「今すぐ公開できるLPが欲しい」という方にとっては、もう一手間かかる点は理解しておく必要があります。

2. ペライチ
日本国内でLP作成サービスと聞いて、まず名前が挙がるのが「ペライチ」ではないでしょうか。国内の中小企業や個人事業主を中心に利用者が多く、日本語のサポート体制が整っていることもあり、初めてLPを作る方でも安心して使い始められるサービスです。
特徴としては、業種別・目的別に用意されたテンプレートが豊富で、飲食店の予約ページから、セミナーの申し込みページ、士業やサロンの集客ページまで、幅広い用途に対応している点が挙げられます。文章の入力欄に沿って内容を埋めていくだけで、ある程度整ったページが完成するため、Webの知識がほとんどない方でも扱いやすい設計になっています。
デメリットとしては、無料プランでは独自ドメインが使えなかったり、ページ数やアクセス解析などの機能に制限があったりする点です。本格的に集客導線として活用する場合は、有料プランへの移行を前提に検討したほうがよいでしょう。また、デザインの自由度という面では、海外の高機能ツールと比べるとやや簡易的な印象を受ける方もいるかもしれません。

3. STUDIO
STUDIOは、デザイナーから特に評価の高い国産のノーコードWeb制作ツールです。LP専用というよりは、Webサイト全般を作れるツールですが、デザイン性の高いLPを作りたい場合に選ばれることが多いサービスです。
最大の魅力は、コーディングをしているかのような感覚で、細かいレイアウトや余白、フォントの調整まで自由に行える点です。テンプレートを土台にしつつも、既製品らしさを感じさせない、オリジナリティのあるページに仕上げやすいという声をよく耳にします。レスポンシブ対応(スマートフォン表示の調整)も画面上で直感的に確認しながら作業できるため、公開後の見え方で困ることが少ないのも安心材料です。
一方で、自由度が高いぶん、操作に慣れるまでは多少の学習コストがかかります。「とにかく早く、簡単にLPを作りたい」という方よりも、「時間をかけてでも、こだわったデザインに仕上げたい」という方に向いているツールといえるでしょう。無料プランも用意されていますが、独自ドメインの利用や一部の機能は有料プランが前提になっています。

4. Leadpages
Leadpagesは、海外で長い実績を持つLP作成サービスの一つです。200種類以上のテンプレートが用意されており、業種やコンバージョン率の高さで絞り込んで探せるのが特徴です。「実際に成果が出ているデザイン」を参考にできる点は、初めてLPを作る方にとって心強いポイントだと思います。
決済機能やメール配信ツールとの連携もあらかじめ組み込まれているため、LPを起点にした販売や問い合わせ導線を、一つのプラットフォーム内である程度完結させられます。小規模なビジネスであれば、複数のツールをバラバラに契約するよりも、Leadpages一つでまとめて運用できる点にメリットを感じるはずです。
ただし、Leadpagesは基本的に有料サービスであり、無料で試せる期間は14日間程度に限られています。長期的に無料で使い続けたい方や、まずはコストをかけずに試したいという方には、少しハードルが高く感じられるかもしれません。また、画面や用語がすべて英語である点も、日本のユーザーにとってはやや慣れが必要な部分です。
5. Instapage
Instapageは、比較的長い歴史を持つサービスながら、近年インターフェースが刷新され、以前よりも直感的に操作できるようになったLP作成ツールです。200以上のLP事例が、リード獲得・資料請求・イベント告知といった目的別に分類されており、参考にしたいデザインを見つけやすい構成になっています。
特に強みとして挙げられるのが、複数パターンのLPを用意して効果を比較する、いわゆるA/Bテスト機能です。「どちらのキャッチコピーのほうが反応が良いか」「ボタンの色や位置を変えるとどう変化するか」といった検証を、専門的な知識がなくても実行できる点は、広告運用を本格的に行いたい企業にとって大きな魅力です。
一方で、こうした高機能なテスト機能や分析機能は、基本的に有料プランでの提供が中心となっています。個人利用や小規模な用途では、機能を持て余してしまう可能性もあるため、「複数パターンを比較しながら本格的に広告運用をしたい」という目的がある企業向けのサービスだと捉えておくとよいでしょう。

6. Wix
Wixは、LP専用というよりも、ブログ・ホームページ・ネットショップなど、あらゆる種類のWebサイトを幅広くカバーしている総合的なサイト作成サービスです。LP用のテンプレートも、会員登録促進や新商品の発売告知など、目的別にいくつも用意されており、デザインの完成度も比較的高い印象です。
すでにWixで会社のホームページなどを運用している場合、同じアカウント内でLPも作成できるため、管理の手間を一元化できる点は分かりやすいメリットといえます。テンプレートの見た目も洗練されているものが多く、業種を問わず使いやすい設計になっています。
注意しておきたいのは、無料プランの制限です。無料のまま公開すると、独自ドメインを設定できなかったり、ページ内にWixの広告が表示されたりするため、ビジネス用途で本格的に使うのであれば、有料プランへの切り替えがほぼ前提になります。この点は、他の無料LPツールと比較検討する際に、あらかじめ理解しておいたほうがよいでしょう。
7. Squarespace
Squarespaceは、どちらかというとネットショップ寄りのサイト構築サービスですが、洗練されたデザインテンプレートを活かして、LP作成にも十分活用できるツールです。写真や余白の使い方が美しく、ブランドイメージを大切にしたいビジネスとの相性が良いと感じられます。
特に評価されているのが、フォーム機能の充実度です。問い合わせフォームや申し込みフォームで取得したデータを、メールはもちろん、Googleスプレッドシートや外部のメール配信サービスに自動で送信できるため、フォーム送信後の情報管理がスムーズになります。手作業でのデータ入力の手間を減らしたい方には、うれしい機能です。
デメリットとしては、料金体系がやや高めに設定されている点や、テンプレートの構造が独自であるため、他のツールに比べてカスタマイズの自由度に慣れが必要な点が挙げられます。デザイン重視でありながら、フォーム機能もしっかり使いたいという方に向いているサービスだといえるでしょう。
8. Jimdo
Jimdoは、もともとドイツ発のサイト作成サービスですが、日本語にもしっかり対応しており、国内でも一定の利用者を持つツールです。LP専用のサンプルこそ用意されていないものの、無料プランでも決済機能を除くほとんどの機能を使える点が、他のツールとの大きな違いです。
操作面での使いやすさも評価されているポイントで、画面や文章、ギャラリー、地図、表といった要素を、迷うことなくドラッグ&ドロップで配置していけます。細かい設定に時間をかけたくない、とにかくシンプルに完結させたいという方にとっては、扱いやすい部類のツールだと思います。
一方で、LP作成に特化したテンプレートが用意されているわけではないため、「集客に特化したページを、テンプレートを参考にしながら手早く作りたい」という目的には、やや物足りなさを感じる可能性があります。あくまで汎用的なサイト作成ツールの一つとして捉えておくのがよいでしょう。
9. Weebly
Weeblyは、シンプルさを追求したサイト作成ツールとして知られています。もっとも大きな特徴は、とにかく直感的な操作性です。要素をドラッグ&ドロップで配置する仕組みが分かりやすく整理されており、初めてWebサイトやLPを作る方でも、迷うことなく作業を進められます。項目の追加や入れ替えも、他のツールと比べてテンポよく行える点は、シンプルさを重視するユーザーにとって大きな魅力です。
その反面、自由度の高さという点では、他のツールに一歩譲る部分があります。あらかじめ決められたレイアウトの枠組みから大きく外れたデザインを作ることは難しく、「細部までこだわって作り込みたい」という方には、物足りなさを感じさせる可能性があります。シンプルに、短時間でそれなりの形に仕上げたいという用途にフィットするツールだといえるでしょう。

10. GetResponse
GetResponseは、LP作成機能だけでなく、メールマーケティングや自動化(マーケティングオートメーション)まで含めた、総合的なマーケティングプラットフォームです。ドラッグ&ドロップ形式のエディターと、スマートフォン表示にも対応したテンプレートが用意されており、LP単体というよりも、その後の顧客フォローまで見据えて活用したい方に向いています。
ネットショップの商品情報と連携させて、販売促進用のLPを作ることもできるため、ECサイトを運営している事業者との相性も良いサービスです。また、他のツールと比較して無料お試し期間が30日間と長めに設定されている点も、じっくり検討したい方にとってはありがたいポイントです。
ただし、LP作成そのものの機能は、基本的に有料プランでの提供となっており、無料期間が終了した後は継続利用に費用がかかります。メール配信や顧客管理まで含めて一つのツールにまとめたい、という明確な目的がある場合に、選択肢として検討する価値のあるサービスだといえるでしょう。
まとめ
ここまで10個のLP作成・テンプレートサイトを見てきましたが、正直なところ、「これさえ選んでおけば間違いない」という一つの正解があるわけではありません。デザインの自由度を重視するのか、日本語のサポートを重視するのか、それとも将来的なメール配信や広告運用まで見据えて選ぶのか、目的によって最適なツールは変わってきます。まずは無料プランで実際に触ってみて、操作感やテンプレートの雰囲気が自分たちのビジネスに合っているかどうかを、肌で確かめてみることをおすすめします。
その際に忘れずにチェックしておきたいのが、独自ドメインの可否や広告表示の有無、そして無料期間の長さといった、無料プラン特有の制限です。せっかく時間をかけてLPを作り込んだあとに、「本当に使いたい機能は有料だった」と気づくのは、なるべく避けたいところです。今回の比較が、皆さんのLP作りの第一歩を後押しできれば幸いです。