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あやね
あやね

公開日:2026年11月02日 更新日:2026年11月02日

認知的ウォークスルーは、初めて使う人が課題の各段階で何をすればよいか理解できるかを検討する方法です。評価者が画面から学習の難しさを予測し、利用者に確かめるべき問題をまとめます。

UXデザインの共同作業スペースに画面を用意すると、指摘をチームで共有できます。まずは一つの課題を最後まで扱いましょう。この記事では図書館の利用者が受け取り用の本を予約する例を使い、「予約の受け付け」と「受け取り準備の完了」の違いまで検討します。

本の選択、受け取り館の選択、確認結果の理解に、学習しやすさを問う四つの質問を適用する図
画面がつながるかだけでなく、初めての利用者が各判断の場面で何を読み取れるかを確認します。

認知的ウォークスルーが役立つ場面

初めての操作経路で、次に何をすればよいかを利用者が見つける必要があるときに使います。ヒューリスティック評価は幅広いユーザビリティ原則を点検します。ユーザビリティテストは参加者の行動を観察しますが、ウォークスルーではつまずく箇所を予測します。

以下の四つの質問は、Nielsen Norman Groupの認知的ウォークスルーの方法(英語)に基づきます。図書館の場面は設計を考えるための例であり、実際の調査報告ではありません。

この例の利用者は読みたい本が決まっており、図書館のアカウントも持っています。ただし、オンライン予約は初めてです。「分館」が物理的な図書館を指すことは分かりますが、サービス内部の用語は知りません。こうした前提が重要です。毎日目録を扱う職員なら、同じ操作要素を違った意味で受け取る可能性があります。

課題と、本当の終了地点を決める

課題は利用者の言葉で、「この本を中央図書館で受け取れるように予約してください」と書きます。終了地点は、正しい本と受け取り館で予約が記録され、次に何が起きるかが明確になった状態です。貸し出しの完了でも、本がすでに受け取り棚にあることの確認でもありません。

本の詳細、受け取り館の選択、予約内容の確認、受け付け完了の四つの状態を用意します。書名、図書館、貸し出し状況など、判断を変える情報を含めましょう。プロトタイプがログイン後から始まるなら、その開始条件を記録します。認証を黙って省略し、予約の全体を評価したと扱わないようにします。

予約できない状態も一つ用意します。すぐに受け取れる本だけで成立する経路では、説明が難しい場面が残ります。この例では本を予約できますが、別の図書館から取り寄せる必要があります。そのため、予約を受け付けたことと、受け取り準備ができたことを区別して伝えます。

意味のある操作ごとに四つの質問をする

  1. 目的:この操作が課題の達成に役立つ理由を、利用者は理解できるでしょうか。
  2. 見つけやすさ:必要な操作に気づくでしょうか。
  3. 意味:表示された言葉と、期待する結果を結び付けられるでしょうか。
  4. フィードバック:操作後に何が変わり、次に何をすべきか分かるでしょうか。

画面で得られる情報だけを根拠にします。評価者がデザイナーの説明を必要とした場合は、画面で伝わっていない点を記録します。

意味のある判断を一つずつ検討します。受け取り館の選択は一つの段階ですが、ポインターの移動はそうではありません。

具体例:図書館の本を予約する

1. 予約する操作を見つける

本のページに「別の図書館で利用可能」と表示され、ボタンには「資料をリクエスト」と書かれています。利用者の目的は中央図書館で本を受け取ることです。ボタンはよく見えるため、主な問題は見つけやすさではありません。意味のほうが曖昧です。「リクエスト」は予約なのか、職員への問い合わせなのか、購入希望なのか判断しにくい状態です。

「受け取りを予約する」のように目的を具体的に示し、その後で受け取り館を選ぶ案が考えられます。「別の図書館で利用可能」という有用な情報は残します。ページを短くするために所蔵状況を消すと、次の判断が難しくなります。指摘では、単にボタンを大きくするよう求めるのではなく、操作の意味が曖昧であることを示します。

2. 受け取る場所を選ぶ

次の画面には中央、川辺、北の三つの図書館が並びます。見出しは「場所」で、現在その本を所蔵する館が強調されています。初めての利用者は、強調された館だけで受け取れると考えるかもしれません。

所蔵館と受け取り館を分けて表示します。選択欄を「受け取り館」とし、中央図書館を選べることを示します。取り寄せが時期に影響するなら、その条件も説明します。評価者が、その解釈を支える画面上の言葉を指せることが重要です。実際のサービスが取り寄せに対応していないなら、選べないものを選択肢として出すのではなく、その業務ルールに沿って設計します。

3. 確定前に内容を確認する

確認画面には、選んだ本と受け取り館を再表示します。書名だけがあり、受け取り館がないとしましょう。利用者は先ほどの選択が保持されたか確認できません。最後のボタンが動作しても、段階間のフィードバックが不足しています。

受け取り館と、送信前に変更できる入口を追加します。館の選択から戻ったときも、本の選択は保持します。これにより設計上の状態が見えるようになり、一部を直すだけで予約全体が最初からになることを防げます。

4. 結果を理解する

完了画面が「成功しました!」だけでは、今すぐ図書館へ行ってよいのか分かりません。この例なら、「予約を受け付けました。受け取り準備の完了通知が届いてから、中央図書館へお越しください」とすると、結果が明確になります。書名と予約詳細へのリンクも示します。

この区別は、その後の行動に影響します。予約できたことは、すぐに借りられるという約束ではありません。時期が分からない場合は、受け取り日を作り上げるのではなく、次に届く通知を説明します。後から表示する受け取り準備完了の状態には、最初の受け付け完了と違う文言を使います。

5. 予約できない経路も確認する

予約できる本がなくなった場合は、成功画面を使い回しません。予約が作成されていないことを説明し、選んだ本を保持したまま、意味のある次の操作を示します。サービスが対応していれば、別の版を見ることも一案です。再試行しても状況が変わらないとき、「もう一度お試しください」だけでは役に立ちません。

この分岐は、ウォークスルーの記録でも区別します。主な経路が良くできていても、進めない別経路の問題がなくなるわけではありません。一方、プロトタイプにバックエンドの応答がないことは、その試作品の制約です。実際のサービスが予約を誤処理する証拠とは区別します。

設計判断につながる形で指摘を記録する

問題ごとに一行を使います。画面で確認できる状態、予想される影響、変更案を分けて書きます。そうすると、開発者やリサーチャーが原因の説明に疑問を持った場合も、元の観察を残して議論できます。

段階と画面上の状態予想されるつまずき設計変更と次の確認
本の詳細:「資料をリクエスト」これを押すと予約が始まるのか分からない。課題に即した言葉に変え、初めての利用者が説明なしで理解できるか確かめる。
館の選択:「場所」という見出しと、所蔵館の強調本のある場所と受け取り先を混同する可能性がある。二つを分け、取り寄せの条件を見える位置に示す。
完了:「成功しました!」本の準備ができる前に図書館へ向かう可能性がある。予約受け付けと受け取り準備完了を分け、理解の仕方を確認する。

優先順位は、この課題で起こる結果を基準に決めます。図書館へ無駄足を運ぶことは、小さな配置のずれより重大です。発生頻度が不明なら割合を作らず、不確かであると記録します。評価者の意見が分かれたら、その前提を明らかにします。例えば、利用者が別の予約システムを使ったことがあるかどうかで予想が変わることがあります。

Pixsoで操作の流れを用意して検討する

本の詳細、館の選択、内容確認、受け付け完了を別のフレームにします。館の選択へ戻る経路と予約不可の経路も含め、想定した操作をつなぎます。適切な開始地点を設定してプレゼンテーションを開きます。評価者は最後の画面から始めるのではなく、想定した利用者と同じ情報に順番に触れる必要があります。

Booksyアプリの画面と、その場に紐づくコメントを示したPixsoのプレゼンテーション。画面と議論の領域に説明を付加
Pixsoのプレゼンテーションとコメントで、画面と議論を同じ場所にまとめられます。ここでは公式のBooksyの例で検討環境を示しています。

該当するラベルや状態にコメントを付け、指摘記録の段階と対応させます。文言の変更案は対象のフレームの近くに置くと比較しやすくなります。コメントは議論の記録であり、初めての利用者が成功することを自動的に証明するものではありません。

プロトタイプ機能で変更案を示したら、同じ課題を元の開始状態から繰り返します。受け取り館のラベル、確認画面、最後のメッセージが一致するか確かめましょう。一画面だけの文言修正では、流れの中に矛盾が残ることがあります。

最も重要な予測をユーザーテストにつなげる

完了画面の問題から、次の調査で確かめる質問が決まります。予約後に、初めての利用者はいつ図書館へ行けばよいか理解できるでしょうか。本を予約してもらい、その後どうするか説明してもらいます。課題の中で「通知を待ってください」と教えると、評価したい答えを先に渡してしまいます。

目的を伝えるユーザビリティテストの課題例を使い、指示を中立に保ちます。参加者がまだ結果を誤解するなら、メッセージと時期の情報を一緒に見直します。意味は理解できても後で予約を見つけられないなら、それは別の課題として検討します。

有用なウォークスルーは、改善した操作の流れと、次に確かめる具体的な質問を残して終わります。この図書館の例では、受け取り館を選ぶこと、予約を送ること、受け取り可能になったと知ることを一貫して区別するのが重要です。画面やアニメーションを増やすだけでは、この曖昧さは解消できません。

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